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ブラックジャーナル

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2017年02月01日
ネガティブ

セブン-イレブン「病欠でアルバイト代減額」の違法ポイント

セブン-イレブンが、アルバイトを病欠した女子高生に対して「罰金」名目で給与を減額した問題が報道され、本部は謝罪と返金をおこなう運びとなっている。

当該問題に関して、フジテレビ「ホウドウキョク」のニュースプログラム「あしたのコンパス」においてコメントした。論点と意見詳細は以下の通り。

「ペナルティで減額」アルバイトに対して許されるのか?

許されない。以下詳説するが、今回のケースは

「多くの違法が重なっていること」
「保護者が問題に気づいて本部に問い合わせたところ、『FCだから本部は関与していない』との返答だったこと」
「全国ニュースになって慌てて謝罪・返金するも、本部広報の説明は『罰金は払わせても良いが、金額が大きすぎただけ』というように読み取れること」

が問題であると言える。

謝罪・返金だけで終結してしまうと、今後も同様の問題が返金だけで済まされかねず、「やったもん勝ち」になることを危惧している。労基法違反事案として処罰されるべきレベルの問題だ。

具体的な問題点は…

・そもそも「罰金」という言い方自体がNG
⇒罰金は刑罰の一種。刑罰を科すことができるのは、国家か地方自治体のみ

・遅刻や欠勤などにより、「働かなかった時間分の給料は払わない」というのは問題ないが、単なる病欠をペナルティ扱いにし、罰金という形で減額するのはNG
⇒ペナルティ扱いになるのは、「遅刻や無断欠勤を繰り返し、指導しても改善しない」といった悪質なケースが対象

・仮にペナルティ扱いをするとしても、就業規則に「減給制裁」の規定がなければNG
⇒今回のケースでは規定の有無は不明だが、そもそも病欠はペナルティにならない

・制裁(減給)金額が、労基法91条で定められた制限金額をオーバーしているのでNG
⇒金額オーバーはもちろん、そもそも減給制裁対象でない行為に対して制裁している

・給与天引き(賃金控除)しているのでNG
⇒基本的に賃金からは控除できない。天引きできるのは税金や保険料(法定控除)のみ。それ以外を天引きする際には労使協定が必要であり、その場合にも組合費や積立金など、法的根拠があるものに限られる

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カゼで休む場合アルバイトの代わりを探す義務は?

もちろん、そのような義務は存在しない。 病欠によって店側に支障が出ることは大変ではあるが、そのような状況になっても運営できるようにするのが店側の役割である。法的には、以下のように説明できる。

「従業員は、会社との雇用契約に基づき労務提供義務を負うが、これを超えて他の従業員を手配する義務までは負担していない。よって、他の従業員を手配することを会社が業務命令として出すことは許されず、業務命令権の濫用となり無効となる」

コンビニ業界のアルバイトの実態は?

従業員目線では、賛否両論ある。

ポジティブな意見で多いのは「仕事に慣れれば楽しい」「ちゃんとやれば評価される」「社員レベルの仕事も任され、就活のPRになった」といったもの。

ネガティブな意見で多いのは「仕事の範囲が広く、覚えることが多くて大変」「店長やFCオーナーとの人間関係に疲弊」「キレる客への対処が大変」など。

いずれも、個人能力と職場環境に左右されることがみてとれる。

セブン-イレブンだけの問題なのか?

そんなことはない。「ブラックバイト」という言葉が通用するほど、学生アルバイトは数多くの違法行為を知らないうちに強いられている(罰金のみならず、ノルマ強要、シフト強要、自爆営業、退職妨害など)。 ニュースになった事例も多い。

「アルバイトなんだから、そんな店サッサと辞めたらいいのに…」

という意見も投げかけられるが、昨今では学生アルバイト側にも辞められない事情がある。学費が上がり、奨学金制度も不十分で、家計が苦しい学生にとっては生活のため、たとえブラックでもアルバイトに頼らざるを得ないケースもあるからだ。

また年齢が若く社会経験の少ない人であるほど、違法な働き方を押しつけられやすく、しかも泣き寝入りを強いられがちである。さらには、それがあたかも「社会の厳しさ」であるかのように洗脳され、誤解して受け入れることもあるだろう。そんなブラックバイト経験者が社会人になると、その後もブラックな働き方が再生産されてしまうというリスクもある。

そのような被害を防ぐためには、個々人が「自分の働かされ方は違法だ」と気づくことが必要。厚労省では労基法関連の教育を進めていく活動を継続中だが、まだまだ足りない。

そして、おかしいと感じたらすぐに辞め、声を挙げることも有効。違法企業の求人を掲載している媒体(求人誌、求人サイト、ハローワークなど)運営者にも「○○がおかしい!」と情報共有しよう。違法性があれば、その会社の求人を掲載することはできなくなる。

「石の上にも3年」と言われるが、「3年耐える価値があるのは石の上だけ」とも言える。その会社や店は、堅固な「石」だろうか?

個人の情報収集・発信能力がネットによって拡大したことで、今回のようなケースは今後も増えるだろうし、商売にはさらなる誠実さが求められることになるだろう。

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